道具としての日用品

 
小間物・雑貨・生活雑貨・荒物・日用道具・小道具…。言い回しはさまざまですが、いずれも日常的に使う身の回りのモノを指す言葉です。意味やニュアンスが微妙に異なっているのがややこしいところ。母国語であっても知っているようで知らない言葉が意外と多く、奥深いものだなぁと興味が尽きません。
 
アマナイでは「道具としての日用品」をコンセプトに取扱商品のセレクトしています。もう少し具体的に説明すると、「身体の機能を拡張してくれるモノ」を道具として捉えているのです。器は液体や物体を手ですくう動きを形にしたもの、はさみは物体を割くという手の動きを効率化したもの、靴下を含めた衣類は本来体毛が果たすべき保温や熱の発散という機能を補完するもの、という具合です。
  
人間や日常を中心に据えたとき、本質的に必要な道具というのはそこまで多くないのではないかと考えています。文房具店やうつわ屋といったジャンル分けも分かりやすいですが、そうではなく生活で使うエッセンシャルなモノを紹介する店を作ってみたかったのです。
 
何かをするときや作り出すとき、人の動きを拡張してくれるのが道具です。机の上にあるペンやノート、出かける時に使うバッグや靴など、身の回りにあるモノを長く使い込んでいく「道具」として使う、という視点から日用品を見ていただくと、また見え方が違って面白いかもしれません。