空間としてのamanai

「空間」が感じられるか。それがショップにとって重要なことだと思っています。

 

例えば、目一杯に置かれた什器やそこを埋め尽くすかのような品揃え。これはある種、宝探しのような面白さのある「雑貨店」かもしれません。もしくは、陳列棚などが整然と並び、区分けが明確でPOPやテキスト情報で視覚的に分かりやすい店。これらはスーパーやホームセンターなどの「ストア」に分類される店かもしれません。これらの店に空間が感じられるかと言われると、そうではないように思います。品物で埋め尽くされるとそれはよく言えば世界観、悪く言うと圧迫感に繋がります。品物にしか注意がいかないどころか、見落とす品物は必ず出てくるでしょう。それに対してストアではお客様の動線としての空間は重視されますが、物件そのものに目を向けることは少ないように思います。もちろんこれらの店を否定しているのではありません。それらとは違う、空間と一体となったショップをつくりたいと思ったのがamanaiを始めたきっかけです。

 

ではamanaiの考える「空間」とは何か。それは「余白」あるいは「痕跡」と言い換えても良いかもしれません。品数をグッと抑えることでまず余白が生まれます。品物に集中できるのはもちろんのこと、しっかり見なければという一定の緊張感を持ってもらうようにしています。作り手は何かしらの理念や思想を持ってモノを世の中に送り出しているはずです。それらに耳を傾ける場こそが「空間」だと思うのです。そして余白があることで壁や天井といった物件にも意識が向かいます。そこにある痕跡を見ることで、その空間が辿った変遷や地域性を垣間見ることができます。地域との連続性を感じながら、良いモノ、良いスタッフに出会えたとき、初めて「ここに来て良かった」と思ってもらえるのではないでしょうか。

 

 

amanaiではポップアップのイベントなどを不定期に開催していますが、それもショップとしての「余白」があるからだと思います。普段使いする品を「日用品」と広義に捉えることでさまざまなモノをご紹介しています。「ギャラリーみたい」と言われることもありますが、それはamanaiにとってはポジティブな言葉です。まさに、ショップとギャラリーを混ぜ合わせたような空間をイメージしているからであり、展示会を開催したこともあります。モノをご紹介する空間でありながら、何かを表現する空間でもありたいと思っています。これからも、どうぞ楽しみに足をお運びください。

 

イベントやポップアップショップを開催したい方はどうぞお気軽にお声がけください。「日常」や「モノ」に関する何かを表現するスペースとしてご活用いただけましたら幸いです。

 

amanai
神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-1-2