yato ニット販売会
日本の繊維工場を次世代につなげるニットブランド「yato」の販売会を開催いたします。2023年12月22日(金)〜24日(日)の三日間、セーターやニット小物など、寒い季節を暖かく過ごすための日常着をご紹介します。
「yato」とは?
yatoは、ニットデザイナー・渋谷渉氏による課題解決型のブランド。ニットウェアの企画・生産管理・開発に長年携わってきた渋谷氏は、紡績工場や牧場にまで自ら飛び込んで働き、原料から製品に至るまでの全工程を実務で経験した特異な経歴の持ち主です。そんなニットの裏方を知り尽くした渋谷氏が、長い準備期間を経て2023年1月より始動させたのがニットブランド「yato」です。
新潟の里山で自給自足に近い生活を送る渋谷氏は、以前、葉山の田んぼでも米作りを手伝っていたそうです。美しい自然で、米を育て、美味しくいただくという「巡り」の一部となることで、シンプルでありながら奥深い⾃然との調和について学んだといいます。欲を出さず、目に見えないものと調和し活かす、という価値観に触れ、葉山の地形である「谷戸」をブランド名としました。谷戸は、amanaiのある鎌倉でも馴染みのある地形です。
yatoのモノづくり
カシミヤヤギの毛を原料とするカシミヤの製品は、滑らかで温かく、とても軽いことが特徴ですが、着用して擦れると毛玉ができることが最大の難点です。そのため、着ている服を気にしながら活動しなければならず、手入れをする手間を考えると、カシミヤは着る機会や回数を控えるという方が多いのではないでしょうか。
そういった課題を解決するべく、渋谷氏は約300日の着用試験を行なっています。高品質の素材を日常的に着てもらいたいという渋谷氏の想いと経験則から、毛玉ができにくく、軽くて柔らかい理想のニットウェアを実現しています。
現代におけるファッション業界のサイクルでは、試験機関による機械的なテストは行われるかもしれませんが、人が着用して日常生活を送る試験は行われないケースがほとんどです。yatoは定番の型しか作らないことで毎年微調整を重ね、実際に着る人が長く快適に使えることに細心の気が払われているのです。
Photo:山根晋
yatoのデザイン
今回のイベントでご紹介するのは、カシミヤ100%の<クルーネックセーター><タートルネックセーター><ショール⽻織><アームウォーマー>と、メリノウール100%の<スヌード>です。型として<ニットパンツ>もありますが、工場との調整で本イベントに間に合うかは未定となっております。
yatoは定番の型しか作りません。そのためデザインにおいては可能な限り装飾を排し、10年後も古く感じない意匠であることが念頭に置かれています。無個性にデザインしたものが着る⼈の個性や魅⼒を引き出し、まったく違ってみえる⾯⽩さがあると渋谷氏はいいます。ユニセックスで体型の区別なく、また型によっては前も後ろもありません。機能性を損なわない範囲で「無縫製」の編⽴てをしているので、⾝体を包み込むような柔らかな着⼼地を体感できます。
yatoの取り組み
高品質の原料を選択すること、丁寧なモノづくりを⾏う⽣産背景を選択すること、素材の特徴や職⼈技術、機械の特性を活かすことがとても重要な要素です。その上で、「工場」と「お客さま」に最大限の恩恵が受けられるような仕組みが採られています。工場とブランドが一体となって製品を開発することで工場に利益を還元できるようにし、卸価格を設けないことで高品質な製品を手の届く価格でお客さまに届けるようにしています。理解のあるショップで販売会を開催して、渋谷氏が自らの手で販売するスタイルを採っています。yatoの取り組みは、 シーズンごとに新作を発表し続けるファッション業界の構造や安易なブランド乱立へのアンチテーゼでもあるのです。
日常着としてのニットウェア
日用品を提案するamanaiとしては、普段使いができるyatoのニットにとても共感し、昨シーズンから着用させていただいています。ハレとケで言えば「褻」にあたる服。それでいて野暮ったく見えない削ぎ落とされた美しさがyatoのニットにはあります。日常の何気ない動きや摩擦でも毛玉ができにくく、外着としての上品さも併せもつ稀有なニットです。
寒さ本番のこれからの季節に向けて、今年頑張ったご自分や身近な人へのプレゼントに是非お求めください。
「yato」販売会
amanai 神奈川県鎌倉市由比ガ浜 3-1-2
2023年12月22日(金) - 24日(日)
12:00-17:00
※渋谷渉氏が全日在店します
・yato (instagram)
・ウルグアイ牧場滞在記
・D&DEPARTMENT インタビュー記事
・ほぼ日 インタビュー記事
【関連リンク】
・space #2 yatoのニット [ Journal ]